乾期の夜間は多湿である!!

 霧は光質に深く関係する。
   霧というのは、大氣中に水滴が無数に
   含んだ状態だから、この水滴に光が当たり、
   屈折反射し「散光」になる。
   「影」が出来ない光になる。

   この影の出来ない光が自生地では、
   何時間ランの葉に当たっているかが
   重要である。
   唯単に日照時間の長短ではない。
   ここに作物栽培とラン栽培の根本の
   違いがある。
   CAM型植物の・・・・・。
   このことから、裏日本の11月から
   3月まで極端に日照時間の短い
   山形でもランは作れるのである。
   カトレアで日照不足など起こらない!!
   カトレアも霧の光で生きられるように
   進化したからである。
   だから「散光」。

  冬晴天の続く表日本の人は、この「散光」を無視してきた。
  だから、この「散光」のことランの本に書かれたことはない。
  この霧の湿度と散光こそ、プロトコームが生きられる湿度を
  作るのである。

 

 ラン栽培では、温度較差による結露、
  霧、夜露、朝露が非常に重要である。
  特に雨期、乾期に別れている地帯に自生する
  ランでは、ほとんどのランが乾期にこの結露の水で
  生きつづけている。

  例えばカトレアのワルケ、ノビリの自生地は
  乾期の温度較差が15℃にもなり、
  夜間には深い霧が発生する。
  霧の発生には昼夜の温度較差と、
  飽和水蒸気が深く関係している。

 平均気温。
 ラン栽培において平均気温というのは
 参考になるようで、参考にならない場合がある。
 あくまでも平均だからである。
 気温というのは大きくぶれるものである。
 最高温度では5℃の上下。
 最低温度も5〜7度も上下する。
 例えばダージリンの1月では
 最高温度15℃、
 最低温度0℃ということもある。
 この場合は温度較差が15℃となる。


 今年の猛暑40℃
  最高平均気温より10℃も高い日があった!!

 したがって、秋から春にかけての温室の温度管理を、
 自生地の平均最高温度、平均最低温度にしても、
 ランは喜ばないことになる。
 夜の結露、空中湿度の大きな乖離が出るからである。
 

 最低温度から最高温度に達するまでの所要時間。
 最高温度から・・・温度が下がる速度。
 これが大切である。
 一気に急激に下げると、温室内に霧が大発生する。
 花にシミ・・・。
 変化の経過時間。
 これが、なかなか難しい・・・。
  


 SUGOI-neの潅水の考え方
  雨期の潅水
    この期間は、ランの自生地では、ほとん毎日雨が降る。
    この雨水の多湿に耐えられるようにランは進化した。
    SUGOI-neは、この毎日の雨・・・・つまり潅水しても根腐れ起きないように作った。
    だから、5月から9月までは、毎日潅水しても大丈夫である。
    SUGOI-neは自生地再現である。
    この自生地再現には・・・自生地の雨降りも含んでいる。
     水ゴケでは、この毎日の潅水が出来ない。
     この毎日潅水したくとも出来ないからこそ、出来るだけ乾く素焼鉢に植える。
     水ゴケというのは、欠点が多く、どうしても自生地再現は出来ない。
     ラン栽培で水ゴケを使うのは、水ゴケが優れているからではない。
     欠点が多くても、水ゴケに代わるものが見当たらないから、仕方なしに使っているに過ぎない。
     ここのところを間違って考えている人がいるようである。
     
  乾期(冬)の潅水。
    加温の温度にもよるが、最低温度15℃以上の加温の場合は、加温が必要なランは、
    SUGOI-ne栽培では、乾燥させないで作ると、休眠しないか、短い休眠になる。
    だから「ペクチン潅水法」での潅水を行なうこと。
    絶対に水ゴケ植えのようなカラカラ乾燥は厳禁である。
    夜露、夜霧の湿度を維持しなければならない。
     特にカトレア栽培では、この「乾燥」の解釈が大きく間違っている。
     乾燥に「耐えられる」ということと、乾燥が好きということは異なる。
     泣き泣き乾燥に耐えているに過ぎない。
     水ゴケの乾燥というのは、カトレアから見れば「拷問」である。

    バルブの持たないラン、地生ランでは、SUGOI-ne栽培でカラカラというのは、
    ラン栽培以前の問題であろう。

      冬期の潅水と密接に関係するのが「結露」である。
      空気の中に潜む飽和水蒸気の水である。
       日本における温室の冬は、ランの自生地の乾期を想定している。
       特に熱帯地方のサバンナに自生するランでは、
       昼夜の温度較差は15℃以上にもなる。
       このような温度較差では、前記のグラフでも理解出来るように、
       夕方日没と同時に急激に気温は下降するから、一気に空中に結露する。
       つまり濃い霧が発生する。
          山霧。
          夕霧。
          夜霧。
          朝霧。
      同じ霧でも・・・・・発生する意味が異なるが、カトレア  ワルケ、ノビリなどの熱帯季節林、サバンナでは日中35℃以上、
      最低温度が15℃以上もあるから夜霧が主になる。朝日が昇れば急激に温度が上昇するから朝霧の時間は短い。
      南回帰線より南に自生するソフロ・・・・は、最低温度が5℃にもなるから朝霧になる。朝日による温度上昇は緩やかだから、
      霧が晴れるのは昼近くということになる。

     ところが、こういう霧を温室に再現できない!!
     こういう霧を温室に再現しようとすると、花にシミが発生してしまう!!
     自生地再現というのは難しい。
     温室栽培ではランから見れば絶対ベストということはありえない。
     だましだまし・・・・で生きてもらう管理になる。
     ウソも・・・・徹底すれば「愛」となる。
      だましつづけて欲しかった・・・・
    そんな歌の文句もある。

    右に図は世界の「サバンナ」地帯である。
    ランが生きられるのは湿地帯からサバンナまで。
    本物の砂漠ではランは生きられない。
    この図から考察するとカトレアというのは、
    まさにサバンナのランということが出来よう。
    ランの中では、非常に過酷な気候条件の中で生きているということになる。
    だから水ゴケ、素焼鉢で「カラカラ」で生きられる。

    これをラン栽培の「基本」として身につけると、
    とんでもない間違いを起こすことになる。
    特にSUGOI-ne栽培では大失敗する。

   サバンナは雨期には雨が降る。
   乾期には前記したように濃い霧が発生する。
   プロトコームが生きられる湿度があるということ!!

  これまで、ランの本に、このプロトコームが生きられる「湿度」が
  書かれたことはない。
  ランの種子というのは・・・偏西風で世界中に蒔かれている。
  ヒマラヤのエビネが・・・日本の御蔵島に種子が落下した・
  当然、サハラ砂漠にも落下している。
  カラカラの乾燥で・・・材木腐朽菌もランも発芽できない。
  だから自生していない。

  サバンナの植物には「多肉植物」が多く自生する。
  ランではカトレアが「多肉植物化」に進化した。
   カネノナルキ、クジャクシャボテン・・・・カトレア・・・・共通した性質を持っている。
   しかし決定的に異なるのはカトレアはやはりランである。
   プロトコームが発生するということ。
   これが生きられる湿度がなければ・・・絶対に自生できないということ。
   だから、この湿度より乾燥させてはならないということになる。
   「オシボリの湿度」。
   SUGOI-ne栽培では、
   ペクチン歓水法で潅水すれば・・・ラン科植物はほとんど大成功になる。
   この湿度は、 ラン菌が枯れ落ち葉を分解するに最適な湿度になるからである。
  
   
   
気温を見る限りでは、ダージリンの温度較差は大きくはない。
しかし、霧が発生する。
日本の秋はダージリンより温度較差は大きい。
でも、平地では霧が発生するところは少ない。
なぜか。
日本の秋は「さわやか」。
日中の空中湿度は低い。
日中の湿度が低いほど、飽和水蒸気曲線から見ても解かるように、温度較差が大きくなければ、
結露、霧は発生しなくなる。
ラン栽培では、この日中の空中湿度と温度較差が非常に重要になる。
秋のさわやかな空気が、非常に良い場合もあるが、
乾燥した風が、逆に悪い場合もある。
温度較差の大きい場所では、夜間は多湿になるから非常にランは喜ぶ。
温度較差の少ない場所で、日中乾いた空気では、秋に株を弱らせることになる。
このことは、秋に日除けを外したとき、良かれと思ってしたことが、
逆に非常に株を弱らせる場合ある。
通路、棚下などに水を打って・・・・空気に水蒸気を含ませる。
こういうことをやれば、ダージリンの日中の空気に近いものにすることが出来る。
そうすると、夕方から・・・・露が落ち始めることになる。
温度較差が小さい場所でも、霧が発生ししたと同じような条件になる。
ランは非常に喜ぶことになる。
この秋の空中湿度管理が、ラン栽培の総決算になる。
温度的には、日本の秋は、ランの自生地に近いの
で、
この日中の空気の水蒸気管理が極めて大切である。

SUGOI-ne栽培で失敗は秋に多い
 ほとんど、この空中湿度の問題である。
 「さわやか」な感じの空中湿度は、ランにとっては乾燥した空気である。
 SUGOI-neでの失敗は、このさわやかな気候下での「鉢の乾燥」である。
 人間が感じるさわやか。
 ランが感じるさわやか。
 これには大きな「乖離」がある。
 天高く・・・・さわやかな・・・・ではラン栽培は失敗する。
 特にSUGOI-neで「素焼鉢」では、乾燥で失敗する。
 この時期は、ラン菌にとっては菌糸が大繁殖する絶好の季節である。
 キノコが発生する季節である。
 乾燥させると、菌糸はSUGOI-neから、ランの根から水分を収奪してしまう!!
 「ランの根のカツオブシ製造」。
 「カチカチ」。
 根はボロボロ。
 これでは、バルブに養分など蓄積できない。
 カトレアでは、夏まで元気だったのが・・・・・秋になってバックは萎びて、
 バックの葉は黄色になり落葉となる。

 夜霧、朝露を考えること。
 SUGOI-ne栽培では、9月から温室に入れるまでの期間も、
 「オシボリ」以上の乾燥は厳禁。
 絶対にカラカラにしてはならない!!
 素焼鉢では、表面に「アオミドロ」が粉状に発生している湿度である。

 

霧の発生には地形的な条件が加わり、水蒸気を多く含む空気が常に発生し、
この空気が冷やされる条件が加わると深い霧になる。
ヒマラヤの高い山から下りてくる冷気。
下から上る温かい空気。
ヒマラヤの2000の地帯は、この二つの空気がぶつかり深い霧が発生する。


 
温室で実際に栽培する場合、この霧、空中湿度をどのように解釈するかが問題になる。
この霧、湿度は光条件で大きく変化し、更に葉の温度に大きく関係する。
このことは、ヒマラヤのランだけでなく、ほとんど全てのランに当てはまる。
なぜなら、ランのプロトコームが生きる絶対の条件が、霧、夜露がもたらす湿度だからである。 

夜露が地面を濡らす湿度。
乾期であっても、夜間は、必ずこの湿度がランの自生地にはある。

ダージリンの夏が、山形では9月中旬から、東京では10月からである。
それまでは、ランたちは、異郷の猛暑の中で生きなければならない。
適地適産。
お茶も・・・・日本では、ダージリン紅茶のような銘茶の出る産地は、
極めて限られたエリアになる。
霧が銘茶の決め手だからである。

せめて、紫外線を弱くして、散光にして・・・夕方から空気に冷たい水を潅水して・・・・
空中湿度を高くしてやらないと、ランは夏負けしてしまう。
そしてラン菌との共生である。
1月  2月  3月  4月   5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12
最高気温  9  10  15  17  19  19  20  20  20  19  15  10
最低気温  6  7  8  10  13  15  15  15  15  10   8  4
ダージリン気候 乾期 乾期 乾期 乾期  雨期 雨期 雨期 雨期 雨期 乾期 乾期 乾期
最高気温 10  10  13  18  23  25  29  31  27  21  17  12 東京
最低気温  1  1  4  10  15  18  22  24  20  14  8  3 東京
霧。
 ランに自生地において、霧でもっとも有名な場所が、霧の町「ダージリン」である。
 ヒマラヤを自生、進化の基点とするランを栽培する場合、
 このダージリンの気候を研究すればよい。
 Cymbidiumでは、大型の品種は、このエリアに自生する原種数種を交配したものである。
 このエリアはモンスーン気候の典型的な気候の温度、温度較差、雨期、乾期、霧、 
 四季、長日、短日のサイクルを持っている。
 ヒマラヤから進出したほとんどのランは、この気候サイクルに適合したDNAを今も保有しているものが多い。
 ダージリン紅茶。
 この銘茶はダージリンの霧が作り上げたもの。


 インド ダージリンの霧を発生させる気温
      
 緯度 27度。 経度 88度。 
         標高2134m


                     参考までに下の段に東京の気温をを記す。

 

 セロジネ、リカステ・・・・。
  自生地は離れていても、ほとんど同じ生育パターンである。
  遅くリードを伸ばして、温度較差の大きい秋の季節になると、
  限られた葉数で一気に養分を蓄えるという進化。

  Cymbidium、パフィオみたいに次々に葉を転用させるパターンではない。
  このバルブの肥大には夜霧、朝露の結露の水分で行う。

  デンドロ、ノビルタイプも白露の季節の短期間にバルブを肥大させ、
  直ぐに来る厳しい乾期に備える。
  Cymbidiumに比較すると、バルブの肥大は短期間に集中して行われる。
  
  厳しい乾期の乾燥は、夜間の結露の水でしのぐ。
  サボテン、多肉植物も同じであるが、
  ランは菌根菌植物。
  ラン菌も生きられる湿度が持続されるところでなければ、
  ランの自生地になりえない。

  このことから、温室栽培する場合でも、
  この結露の湿度が絶対必要になる。
  Cymbidiumなどでは、朝、バルブにガラスに結露するように、
  バルブに結露する条件が、素晴らしい生育と、
  株の健康維持、株保存が出来る条件となる。

  しかし、これまでの栽培法では、こういう結露が出る温度管理、
  湿度管理、大氣の対流が論じられたことはない。

  
著作権所有者  宇井清太
  
ボルネオ、標高4000mキナバル山の2000m熱帯高所雲霧林。
 午後3時ごろから深い霧が山を覆う。

 当然ランの葉は濡れる、冷やされる。

 この状態はエビネの御蔵島でも起こる。

空気は温度が低いと少しの水蒸気しか含むことが出来ない。
温度が高くなるにしたがって多くの水蒸気を含むことが出来る。
 温度別に1立方メートルの空気がどれだけの水蒸気を含むことが出来るかを示したグラフを飽和水蒸気曲線とよぶ。
 上記のグラフである。
    例えば 0℃では4,8gの水が含むことが出来る。 これを湿度100%という。
         10℃では9,3gである。
         25℃では22,8gである。
         30℃では30,4gである。

      
30℃で湿度70%の場合1立方メートルに含む水は、上のグラフから
         30,4 × 0,7 = 21,28
       21,28gの水が含める温度はグラフから約23℃である。
       約23℃で飽和水蒸気になり、これより低い温度で結露を始める。



   今年のような猛暑の時は、夕方空気に潅水して空中湿度70%以上にすると、
   夜に23℃まで温度が下がった時点で空中湿度100%になり、ランの葉に湿度が与えられることになる。
   特に夜の気孔を開くCAM型ランにおいては絶好の湿度になる。
   このCAM型ランにとって一番怖いのは、気孔を開いたときに、気孔から蒸発する水である。
   このとき、空中湿度が100%あれば、全然気孔から蒸散しないで炭酸ガスを取り込むことが出来る。

   ランの自生地では、雨期は当然上記のように夜間は多湿条件である。
   乾期は昼夜の温度較差が大きいから下に記すようになる。
   熱帯地方の乾期の夜間の湿度と結露。

    日中30℃で湿度40%の場合(カトレアのノビリの自生地など)  
      30,4 × 0,4 = 12,16
   12,16gが含める温度を調べると約17℃である。
   約17度まで温度が下がった時飽和状態の湿度100%になる。

 
 「白露」の季節。
   この白露は季節を表現する「二十四節季」の一つ。
   残暑は厳しいが、朝、草には深い露が結んでいる。
   温度較差が大きくなり、この較差が秋の実りを大きくし、リンゴも色づく・・・。
  この昼夜の温度較差13℃というのは、山形県の9月の気候であるが、
  日中30℃で朝の最低温度18℃。16℃。
  これが9月上旬の気候である。
  この季節が露を結ぶ「白露」の季節になる。
  昔の人は・・・・自然の法則を知っている!!

  カトレアのワルケ、ノビリ・・・・パフィオのブラキ亜属、パービセラム亜属、デンドロ・・・・
  リカステ、セロジネ・・・・。
  これらの自生地では温度較差が13℃より大きい過酷な条件である。
  当然深い夜霧、夜露が葉を濡らすことになる。
  乾期であるが・・・・深い夜霧、夜露、朝露。

  
  熱帯雨林地帯の高地の森では・・・・
  日中温まった多量の水蒸気を含んだ空気が上昇して、
  標高1000m、2000mに達すると、その空気は冷やされ、一気に空中で結露する。
  この状態が、ボルネオ島のキナバル山、屋久島、ニオイエビネの御蔵島などで起こる。
  霧の「摩周湖」も同じ。

 こういう場所に自生するランでは、
  朝の結露の季節が・・・・夕方潅水と朝潅水の境目になる。
  朝結露するような時期になったら、夕方の潅水を中止して、朝「ペクチン潅水法」を行なえばよいことになる。
  と、いうことは、朝結露しない時期というのは、夜間に空中湿度が100%にならないから、
  夕方空気に潅水して出来るだけ多くの水を空気に含ませて置かなければ、
  ランの自生地の夜間の湿度には出来ない。
  そういうことで、宇井清太のラン栽培法は、葉の温度を検温して、葉の温度が高い時期は夕方潅水する。
  この潅水で、葉の温度を下げると同時に、空気に多くの水蒸気を含ませることが出来ることになる。
  自生地再現の山霧の湿度である。

  
  一般の作物では、夏の夕方潅水、多湿にすると「病気」が発生するものが多い。
  この経験から、ラン栽培でも夕方の潅水を怖くてやれないという人がいる。
  これは、前記のランの自生地の夜間の湿度、結露、気孔からの蒸散を理解しないことである。
  速やかに葉の温度を下げなければならない。
  一般の作物、植物は日中ランの葉のように高温にはならない!!
  ランの葉の温度を知らない。
  このことが、非常に大きな間違いをすることになる。
  不思議なことであるが、この葉の温度を検温して潅水を行う人は皆無であった。
  自生地における葉の温度の検温。
  全く研究されたことはない。
  ラン研究の盲点である。


  このランの葉の温度と、大氣の結露の温度を知らないと、
  自生地に行っても、何を見てきたか解からないという観察になる。
  気温ではなく、葉の温度である。
  温度較差が大きい場合は、日中葉の温度が高くても・・・・
  夜の夜霧、朝霧、朝露がランに快適な条件を作り出してくれる。
  カトレアのノビリ、ワルケなど・・・・だから生きられる。
  プロトコームも生きられる。
  自生地というのは・・・・結露のエリアである。



 結露の害。
  温室の場合、この結露が逆に害をすることがある。
   自生地にない急激な温度下降の場合起こる。
    花に染みが出る。
    灰色かび病が出る。
   室内に大氣の対流がない状態で多発。
   下降速度が速すぎる場合に多発。
   温度較差が13℃を越えると多発。


  自生地再現というのは簡単ではない。
   花にシミの問題は、株が弱っている花で多発する。
   SUGOI−ne栽培では、シミはほとんど発生しない。
   結露と細胞の問題である。
   
   夕方潅水、結露で病気がかかる場合は、水が原因ではない。
   水に耐えられない細胞、組織が原因である。
     

 1立方メートル当たりの
  水蒸気量 (g)
 気温
 結露、霧、雨滴。
 植物の生命線である水は、この大氣に含まれる水蒸気の結露現象によるものである。
 ランの自生地における霧、スコール、朝露。
 この気象上の現象は一定の法則の中で発生している。
 下のグラフはこの法則を表にしたもので、これを参考にすれば、秋の潅水、冬の潅水、
 空中湿度、自生地再現の環境つくりが出来ることになる。
 


 2007年の8月。 猛暑が続く。
  そして、とうとう日本での最高気温を塗り替える猛暑を記録した。
  40、9度。

 こういう猛暑の中にも秋は既に含んでいる。
 高原に行けば、ススキは穂を風に揺らしている。
 この風には確かな秋を含んでいる。
 太陽の高度は夏至の時から見れば、相当低くなっている。
 残暑。
 この時期がランにとってもっとも辛い季節。


 だが、この厳しい残暑も、やがて「白露」に季節になる。
  本当の秋、結露の季節に入る。

  ラン菌が最高に炭素循環を行う季節である。
  この分解した養分、糖でバルブは充実する。

 
この結露こそ、ランとラン菌が最高に喜ぶものである。
 この結露は大氣の顕温の温度較差が大きく関係するが、
 それは同時に光合成と呼吸作用の生産と消費に深く関係する。
 日本列島、この9月から10月はランの適地に変貌する。
 ランは故郷を連想することになる。

 SUGOI−ne栽培講座         カトレアの失敗の原因はコレダ
 
          乾期 秋の結露と霧とSUGOI−neの潅水
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